今回の内容は、現在新型コロナウイルスの治療法として話題になっているECMO(エクモ)についてです。
ECMOとは、日本語で表現すると体外式膜型人工肺と言います。
このままだとなんだかピンと来ませんよね?
そこで、ECMOとは一体どんな治療法なのか、簡単に分かりやすく解説していきたいと思います。
どんな人に使うの?
肺炎などが原因で肺がダメージを受けてしまい、肺が肺としての機能を果たせなくなった人に行います。
具体的には2つの代表的な症状があります。
①血液に含まれている酸素の量が少ない人
(低酸素血症)
②不要な二酸化炭素が外に出せずたまっている人
(高二酸化炭素血症)
これらの症状にはまず人工呼吸器を使った治療を行いますが、それでも改善が見られない人に対して使用を検討します。
どんな治療?
肺が本来行なっている、
酸素の補給と二酸化炭素の除去
これを肺の代わりにやってあげる治療になります。
つまり、酸素が少ない血液に、人工的に酸素を混ぜてあげて酸素の量を増やし、それと同時に不要な二酸化炭素を取り除いてから再び体に戻してあげるということをしています。
肺の仕事を代わりにしてあげているので、その間、肺は休むことができ、回復に専念することができるわけです。
どうやって治療するの?
体外循環という方法で血液に酸素を混ぜてあげます。
その治療を行うためには体から大量の血液を外に取り出す必要があります。
血液の脱血・送血には専用のポンプを使い機械的に行います。
血液を取り出す用と返す用として2本の太い管を、それぞれ別の静脈に置くことで血液を取り出しています。
このチューブの太さはおおよそ直径8から10mmくらいのものを使用します。結構太いですよね。
取り出す側は太腿の付け根から、返す側は首の血管を選択する施設が多いと思います。
取り出された血液は人工肺という、特殊な装置の中を通らせることで血液に酸素を混ぜてあげています。
そうして首の管からふたたび体内に血液を戻してあげます。
ちょっと寄り道:そもそもなんで酸素?
酸素は、心臓や腎臓、肝臓などの臓器を働かせるのに必要です。
ということは酸素がないと機能しないということです。
そうなると大変ですね。
酸素酸素と言いますが、大事というのはそういうことなのです。
心臓が動いているそもそもの理由は、酸素が混ざった血液を全身に送ることで、酸素が各臓器に行き届くようにしているためなのです。
生命活動には何よりもまず、酸素なのです。
まとめ
今回、ECMOについて簡単に書かせていただきました。
ECMOとは肺を休めるために、肺の役割を代わりにしてあげる治療法なのです。
詳しい酸素の役割や、原理について後日また書いてみようと思うので読んでみてください。